土地考 / 旗竿地か整形地か? - その1・旗竿地について -
「これは!」と思う土地が出てきた。
しかも時間差で2つ。
同じ区内ながら、エリアは今住んでいるところよりは少し離れる。
今の家から自転車で15分程度。南北の反対に位置していて同じ駅は使える。
縁もゆかりもないところかと言うと、学生時代4年間過ごしたアパートが近所で、小さい頃から遊んでいた公園も近所という。
かなり見知った土地だった。
候補1 / 旗竿地
お値段について。
なにより相場よりもかなり安い。「旗竿地だから安い」というレベルでもなく。
「これは建売業者が買い取るくらいの坪単価ですね」と、仲介業者さんの言葉。
その理由は、手前の整形池を「高めに」なおかつ「早く」売りたいためと聞いた。
つまり「奥の旗竿は早めに売却をしたいから」とのこと。
手前の整形地は相場より若干高い程度の値段だったので
「なんでこんなに価格が違うんですか?」
と聞くと、奥が売れてから手前は値下げするらしい。
同じく「奥が売りやすように」そんな理由だった。
ってことは
「このような形状の土地を買う場合は、奥が売れてからの方がお得ってこと?」
そう聞いても、仲介業者さんは「ケースバイケース」として言葉を濁したけれど。
この土地、所有者は個人ではなく法人とのこと。取引も円滑だし、周辺隣地と手前の整形地(そっちは高すぎて手が出ない)との境界フェンス費用も負担してくれるという。それだけで40万以上は余裕でかかりそうだった。お買い得感が増す。
土地の形状について。
旗竿箇所を含めればだが、まずはその広さに驚く。120平米近い。
西側に接道する旗竿の間口も3メータ、車の乗り降りも問題なさそうだった。それが10メーター以上伸びて広がる。
旗竿をデメリットだけとせず、玄関までのポーチとして「いろいろ遊べる」気もした。仲介業者さん経由で参考プランを作ってくれた建築士の方も「これは中々ない。面白いですね」と言っていたほどで。実際、子供用のプールだって置けるサイズだ。車も縦に2台は余裕で止められた。
「広さ」と「値段」以外では、「周辺環境」も良かった。
南側と北側は隣家の庭となっている。借景ではあるが、旗竿地で一番問題となる日当たりも悪くなさそうだった。
自分としては「ここでいいのでは?」と思っていた。
しかし他のデメリットから妻は渋る。
妻が気にしていた点について。
まずは車の出し入れ。
間口が3メートルあるとはいえ、前面道路が若干4メーターに満たない。セットバックするものの、真向かいには車が止まっている状態で圧迫感もある。
「車の出し入れが出来る自信がない」
うちの奥さん、車庫入れがとても苦手なのだ。
次に将来的な借景。
南の隣地は大きめの住宅及び一部賃貸アパートという構造だったのだが、いかんせん建物が古い。つまり「いつ壊すかわからない」。うちの近所のように、大きめの家が壊されて細かい分譲になる可能性もある。
「四方を家で囲まれるのは嫌だ」
「隣や裏が公園とかなら、旗竿でもいいけど」
妻の言い分だった。
日当たりに対する考え方は人それぞれある。
奥さんのトラウマは「学生時代に住んでいたアパートが日当たり最悪でカビが多かった」とか。自分は「東京なんてそんなもんだろう」という根拠のない割り切り。
「そこは設計でも考慮できる」それは共通した思いだった。
車庫入れは仲介業者立会いで体験させてもらった。正直なところ、運転慣れしている自分でもキツかった(3ナンバー , 横幅2メートル程度のフルサイズSUVの場合)。仲介業者の方も「確かに厳しいですね」「整形地との境界に隅切りは交渉します」という言葉があり。有料にはなるけれど、できるだけ安く交渉するとのことだった。
すると時間差でもう1つ土地が出てきた。
つづく