建築考 / 建築会社の決定 その1 - 決定の経緯 -
どのように建築会社を決めるのか?
今になれば「もっとこうしておけば良かったな」と思うこともある。結果ではなくプロセスとして。特に予算感のイメージの仕方なのだけれど、まずは頼んでいる建築会社に決めた経緯を。
これまで何度か建築会社で打ち合わせをしたり、間取り図をもらったことがある。住宅展示場にも一度だけ行った。気分としては「建物のイメージも持たないと土地も決められない」から。これは良かったと思う。物件探しのモチベーションを維持する上でも有効だ。
かつて、一度購入を迷った土地があった。
西側に駅から徒歩10分程度。駅を中心とすれば離れるが、同じくらいの距離感。
広さは80平米後半。しかしそこは、バス通りと商店エリアに隣接していて、3階建てが可能だった。区内では珍しく建蔽率と容積率が高いのだ。そのタイプの多くは60平米台の土地が多かったので、ここなら床面積で110平米以上が望める。大きな土地を4分割して並列に並べた奥の土地だった(手前3つは全て60平米後半)。
訪れた建築会社を整理する。
A社
そこを仲介してくれた不動産屋から、取引のある建築会社を紹介してもらいプランと予算感を聞いた。いまいちピンとこなかった。金額も高かった。打ち合わせには営業の方1名のみ。間取りをもらうとか、初めての体験だったのでこちらも手探りな感じだった。
B社
Suumoなどから近場の建築会社を調べ、好みの施工例の多い会社に直接連絡を取った。打ち合わせには営業の方が2名。検討中の土地から間取りと見積もりの詳細を作成してもらった。プランはピンと来なかったが、金額はA社よりだいぶ安かった。標準で「ギリギリ」ハマるかどうかという。
土地の代金が高い(坪単価200万程度)というのもあるが、そもそも3階建は2階建を作るよりもコストがかかるという。そんなことも初めて知った。
結果、その土地を迷っている間に他から買付が入り、購入は見送ることになってしまった。
この土地の仲介不動産業者の方とは、物件購入を検討している知人を紹介したりと、今でも連絡を取っている。とても親身で嘘のない信用できる人だった。
そして、候補となっていた頃の旗竿地。
土地の値段もぐっと抑えられたので、新たに2つの建築会社にて「間取りと見積もり」の相談をした。それがC社とD社。A社とB社からは取り寄せなかった。
今回初めて利用したのはsuumoカウンターでとても便利なシステムだと感じた。自分の思い描くイメージから予算感別に紹介してくれる。訪問のアポイントなどもしてくれたり。いろいろ時短に繋がる。
C社
高断熱を売りにしていたり、性能全般で信頼できそうな会社。デザイン力も高く、自社のオリジナル建材などもありコスト面でも抑えられそうな雰囲気だった。結果、プランは悪くないが値段はギリギリな感じ。打ち合わせは営業の方が1人。やはり100平米を超えてくると、こういう値段になるのかという現実を知った感じでもあり。あとは「旗竿ならでは」の工事費の問題もあった。
D社
自然素材や造作が得意な会社。設計は提携している建築家に依頼するというシステムで他とは一線を画すような施工例も多かった。打ち合わせは営業の方と設計を担当する建築士の方でおこなう。
でも肝心の間取りやプランがいまいちピンとこない。
建築家の方も土地を見ていない。会話も噛み合わない。
しかし、営業の方が良かった。
土地を見に行っているのは当然として、何度もうちに直接足を運んでくれた。親身で求めるニーズを的確に察してくれる。
ちなみに他社で建てることになった現在でもたまに進捗状況をメールで伺ってくれたりと、今でも連絡を取り合ってる。
「この営業の人と家を作りたい」そう強く思ったのだけれど、いかんせん見積額は一番高かった。
そして、もう一社。旗竿地の仲介不動産会社からのオーダーで地場の建築会社から参考間取りが届いた。それがE社。
E社
地場のきいたことのある会社。間取りは過去一番良かった。直接会ったわけではないが、仲介会社の方曰く、女性でもあり優秀な一級建築士とのこと。なるほど、女性ならではの視点もありなのか。かなり惹かれるものがあった。
しかし、ざっくりとした予算感では高め。そもそも、建売なども多く手がけている会社で、施工例があまりに普通な感じで惹かれるものが少なかった。
そこに来て、さらに500万高い整形地の検討が始まる。
どちらの土地に決めるかの判断もあるので、CとD両方にプランを頼むことにした。旗竿地の見積もりなどがまだ届く前であったけれど、肌感覚てきには、おそらく両社ともに予算はハマらないだろうという予感はあった。
もう一社。整形地の仲介業者からもプランと見積もりの知らせ。それがF社。
F社
プランをもらうだけでなく、仲介会社の会議室にて直接いろいろ話したいとのことで期待が膨らむ。予算感は伝えてある。
しかし会ってみれば、土地も見てなければ、間取りも過去のものの転用。見積もりもあまりにざっくりしていて尚且つ高額。厳しかった。
ここで思ったこと。
今までで一番安かったB社でダメなら、整形地は無理だなと悟る。
再びB社とコンタクトを取る。
結果、予算が初めてハマる。標準プランからある程度のオプションを含んだ金額だった。標準の範囲内で照明や外構費など「住む」ことに関しては全て網羅もされていた。
そして何より、間取りが最高だった。2度目なので、事前の打ち合わせにて伝えていた要望を見事に反映してくれただけでなく、随所にプロのアイディアが散りばめられていた。打ち合わせには、以前同席した営業の方2名と今回初めて設計を担当する建築士の方も。
「この人と家を建てたい」そんな建築士さんとの出会いだった。
土地契約と並行し、B社と建築契約を結ぶ。
それらが去年の夏の出来事。
気がついたらいろんなことが始まっていた。