建築考 / 建築会社の決定 その2 - 予算の考え方 -
バジェットに関して、今になって思うこと。
単に総額だけではなく、見積もりの詳細や標準プラン(仕様)の中身を綿密に見比べることは大事だと思う。見比べようにも、それぞれの知識が乏しい段階なので難しいのだけれど。
各社、標準プラン内で各項目の金額は様々だ。
「設計費用」1つとっても、各社異なっている。
各単価が全体的に高いという会社もあるが、項目によって各会社の色が出てくる。項目によっては、一概にどちらが高いとも言えないのだ。目に付きやすい項目は金額を抑えて、工事費全般が高く総額が上がっている会社などもある。
ローコストを意識したメーカーだと、設備等はビルダー建材が大半で差は少ないだろう。ただそれも、同じ金額で仕入れているわけではない。
やはり、年間に建てている軒数が多い会社は、メーカーとのパイプも太く安いように思う(一概には言えないのかもしれないけれど)。その場合、標準の範囲で選択できれば「お得」だし、標準からの差額でオプション扱いになると「割高」感が増す場合もある。差額が微々たるものなので。
標準品の多くは「仕入れ値」を聞くと安さに驚く。施主支給などでは考えられない金額だ。その積み重ねが、ファーストプランの「総額」として反映されているので、文句を言える立場でもないのだが。
ファーストプランは大事だ。
単に「間取り」や「プラン」をもらうだけでなく、自分が譲れないもの、出来れば叶えたいものを整理して相手に伝えること。それを加味した「総額」で、最低でも2社は比べた方がいい。予算感も伝えた上で、どこを調整すれば自分のニーズに近づくのかを擦り合わせる。最低限でもいいので契約前にできるだけ。
仮に「広さ」にこだわりがあるのならば、それを加味したプランをもらう。「キッチン」にこだわりがあるならば、イメージする商品が置いてあるショールームに行ければベストで、そこからのアップグレード費用などを想定した方がいい。「外壁」にこだわりがあるのなら、サイディングであれば16ミリへのアップグレードやジョリパットなどのコストなども聞いた方がいい。むしろ普段取り扱わないサイディングの方が高いなど、会社として傾向は色濃く違う。
標準プランの金額をよく見比べる。
単に表面上の総額だけを信じない。
地盤改良、水道引き込みなど「建てることに関する要素」は含まれているのか?
※うちは、水道引き込みに関しては、より安い会社を不動産会社経由で紹介してもらいました
照明、外構など「住むことに関する要素」は含まれているのか?
そこからどれくらいの追加要素と想定金額が発生するのか?
この段階でのコミュニケーションを躊躇するような関係だと、おそらくその後の家造りはしんどくなる。
最終的には「人」であり「信用」を前提に進めていけるかが大事なのだろう。
単に金額だけでは決められない。
うちが迷ったのは、見積もりが一番安かったB社と一番高かったD社。D社の営業の方は、最後まで金額の差を縮めようと頑張ってくれた。全仕様を決めた今なら、両社の差はかなり埋まっているのかもしれない。「ジョリパッドも標準で採用できたのに」など今でも思うこともある。それでもB社に決めたことを後悔していないのは、建築士の方が素晴らしかったからだ。
間取りやプランの相談を繰り返すのだけれど、出席するのは営業の方と建築士さんのみで他にプランナーとかそういう人は最後まで介在しなかった。内装の素材や色味など含め、迷った時には豊富な経験から的確なアドバイスもくれる。センスも良くイメージの共有も早い。減額調整では、営業の方と一緒に悩んでくれる。部屋の使い勝手にまで及ぶ箇所には、即日で図面を書き直してもくれる。こちらの提案より良くなっている。
「わからない」ことだらけなので、プロのアドバイスは大切。ほんと人は大事だ。
そんな人のおかげで家はできる。